プロジェクト アリシゼーションを追う、アリシゼーション編も3巻目、やっと本筋が出てきたともいえる。なぜ、アリシゼーションなのかという理由もやっと明らかになります。英語で書けばAlicization アリス化ということになります。
このアリシゼーション編はどう考えても、アクセル・ワールドとの関連が深いというか、この話を前提にしないとアクセル・ワールドは成り立たないところがあります。セブン・アークスの中の一つ最後の神器たるザ・フラクチュエーティング・ライトなんてそのまんまだと思いますし。
この話の根幹は以下のところに集約されると思います。
- 人間の意識はどこにあるか
- 人間に内在する悪意
- トップダウンAIとボトムアップAI
この作者の弱点はラブロマンスを含む心理描写の弱さであるが、同時に可読性の高い文章という強力な武器も持っている。アリシゼーション編はともすると難解になりかねない哲学的なテーマを多数含んでおり、そのまま書けばただの難解なものになりかねない。それを、この著者の武器である可読性の高い文章によって、少年期の素朴な正義感と合わせることで読めるものに仕立てている。
私はこのような難しいテーマを選んだこと自体にも意味がある。これは本編の7巻においても、終末医療という極めて重いテーマを選んだことも言える。是非、今の関心を維持しつつ作品につなげたほしいと思う。
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